今回の記事では、ディスグラフィアの子どもが字が汚い5つの原因を解説しています。
あなたは、お子さんの書く字を見ていて、こんなふうにびっくりしたことはありませんか?
- 学校で板書してきたノートが信じられないくらい汚い
- マスや線を無視して、はみ出して字を書いている
- 字のバランスも筆圧もバラバラすぎて、なんて書いてあるかわからない
- なんでもひらがなで書こうとする
- 自分の名前すら上手に書けない
忙しくてあまり子どもの勉強すごく見ていたわけではなかったけど、「こんなにひどいとは…」とショックを受けた経験もあるでしょう。
そこで、今回の記事ではディスグラフィアのお子さんが字が汚い原因を5つ詳しく解説しています。
原因がわかると、どのような勉強法をすればよいのか、おのずとわかるはずです。
ぜひ、参考にしてみてください。
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そもそも、ディスグラフィアってなに?かんたん説明
ディスグラフィア(書字障害)は、学習障害の1つで字を書くこと全般が苦手な障害のことです。
具体的には、以下のような特徴が見られます。
- 鏡文字(左右を反転した文字)を書く
- 雰囲気で間違った文字を書く
- 誤字脱字、書き順間違い
- 文字を書き写すのが遅い
- 漢字が覚えられない
- 文字の形や大きさがバラバラ
- マス目からはみ出る
上記のうち、どれか一つでも当てはまるとディスグラフィアだと言えるでしょう。
しかし、どうして字がこんなにも上手に書けないのでしょうか。
その原因を次の章から、細かく深堀りしていきます。
ディスグラフィアの子どもが字が汚い5つの原因はこちら
今回紹介するディスグラフィアのお子さんが字が汚い原因は、以下の5つです。
- 姿勢が悪い
- 鉛筆の持ち方が悪い
- 目の機能が悪い
- 認知能力に偏りがある
- モチベーションが低い
上記のうち、少なくとも1つ以上の特徴がディスグラフィアのお子さんにはあるはずです。
原因を知っておくことで、その後の対処方法に生きてきますよ。
では、それぞれの原因を深堀りしていきましょう。
ディスグラフィアの子どもが字が汚い原因①姿勢が悪い
ディスグラフィアの子どもが字が汚い1つ目の理由は、姿勢が悪いことです。
姿勢が悪いと、手元のコントロールが乱れてしまい、字をきれいに書くことはできません。
姿勢の悪いお子さんの特徴は、以下のとおりです。
- じっと座っていられない
- 机に肘をついて字を書いている
- だんだん猫背になってくる
- 時間が経過すると姿勢が左右に崩れる
- 姿勢が崩れても、注意されないと気づかない
上記の特徴を持つお子さんは、姿勢を保つための腹筋や背筋などの体幹の筋力が弱いと言えます。
ちなみに、字が汚いお子さんは、体育やスポーツなど、体を動かすことも不器用な場合も多いです。
ディスグラフィアの子どもが字が汚い原因②鉛筆の持ち方が悪い
2つ目の原因は、鉛筆の持ち方が悪いことです。
鉛筆の持ち方が悪いパターンとして、鉛筆を握り込んでいるパターンと三指で持てていないパターンがあります。
鉛筆を適切に持てていないと、力を調節しながら鉛筆の先に伝えることができません。
結果的に、筆圧が濃すぎたり、字のバランス悪かったりします。
ディスグラフィアの子どもが字が汚い原因③目の機能が悪い
3つ目の原因として、目の機能が悪いことがあげられます。
目の機能では、単に視力のことではなく、目で情報を読み取る力のことです。
目で情報を読み取る力が弱いために、漢字を見ても書けない、板書に追いつけないといった問題が出てくる可能性があります。
目の機能が悪いのであれば、ビジョントレーニングがおすすめなので、関連本を読んでおくと子育てに役立つでしょう。
ちなみに、ビジョントレーニングの本はたくさんありますが、体の動きに合わせて目の力が鍛えられる内容の方が効果はありますよ。
ディスグラフィアの子どもが字が汚い原因④認知能力に偏りがある
4つ目の原因は、認知能力に偏りがあることです。
文字を認識する力にバラツキがあると、結果的に字を上手に書けない可能性があります。
例えば、目で見て覚える能力が低いがために、字を思い出せずに書けないお子さんはよくいるものです。
一方で、音で聞いて覚える能力が高ければ、目で見て覚えられなくても、音で聞いて書けるようになる可能性があります。
つまり、お子さんの認知能力のバラツキをきちんと知っていれば、そのバラツキに応じた学習を実践すれば、字の汚さは改善する余地があるのです。
ディスグラフィアの子どもが字が汚い原因⑤モチベーションが低い
5つ目の原因は、勉強に対するモチベーションが低いことです。
お子さんは勉強=苦手なことと、すでに自覚しているでしょうから、当然率先して勉強しようとは思うはずもありません。
- 言われないと宿題をやらない
- テキパキ勉強していない
- 雑に字を書いている
上記のようなお子さんは、勉強へのモチベーションは低い状態と言えるでしょう。
実はディスグラフィアのお子さんでも、「丁寧に書こう!」と意識すれば多少上手に書けます。
しかし、よほど意識しなければ、それ以外の時は字がかなり汚くなると言わざるを得ません。
どれだけすばらしい勉強方法だったとしても、本人のやる気が伴わなかったら、学習効果は上がらないでしょう。
ディスグラフィアにおすすめの勉強方法①タブレット教材
ここからは、ディスグラフィアにおすすめの勉強方法を3つ紹介していきます。
1つ目の勉強方法は、タブレット教材です。
タブレット教材であれば、タッチペンでひらがなや漢字をなぞって覚えることができます。
字の間違いをすぐに指摘してくれるので、親がいちいち口出す必要もありません。
ほとんどのタブレット教材には、コツコツ頑張れると、レベルやコインなどが上がるゲーム要素が含まれていますので、きっと勉強嫌いなお子さんでも楽しめるでしょう。
ちなみに、なぞり書きができるタブレット教材は、チャレンジタッチとスマイルゼミが代表的です。
ディスグラフィアにおすすめの勉強方法②姿勢を良くする
2つ目の勉強方法は、姿勢が良くなるように環境を整えることです。
お子さんの姿勢が悪い原因は、姿勢を保つ筋力が育ってないことがあげられますが、今日鍛えたところで一朝一夕で今すぐ姿勢が改善することはありません。
そこでおすすめなのが、姿勢を保つやすくするためのグッズを活用することです。
例えば、滑り止めマットは比較的安価で購入できますので、お子さんが勉強する椅子に乗せてみると良いでしょう。
何もやらないよりは、姿勢が崩れにくくなります。
ちなみに、子供の姿勢保持を根本的に改善させたい場合は、体幹トレーニングが必須ですよ。
ディスグラフィアにおすすめの勉強方法③タイピングを覚える
3つ目の方法は、タイピングを覚えることです。
字をきれいに書けないばかりに、文章を作成する能力が培われないのは、貴重な経験を失っています。
文章を作成すること自体は、何も鉛筆でやらなくてもパソコンのタイピングで十分可能です。
字をきれいに書けるに越した事はありませんが、「タイピングでも大丈夫!」と思えるだけでも、人生が楽になりますよ。
ディスグラフィアのお子さんは、早めにデジタル機器に触れるべし
ここまで、ディスグラフィアのお子さんにおすすめの勉強方法を紹介してきました。
しかし、将来の実用性を踏まえると、字をきれいに書くことよりも、タイピングを覚えることが何より重要となります。
ところで、親であるあなたは、現在日常生活で字を書く機会は、どれだけ多いでしょうか?
おそらく字を書くのは名前や住所くらいで、文章をパソコンで作ったり、スマホ入力でLINEを返したり、していることでしょう。
つまり、文字を書く力よりも、適切な文字を選ぶ力のほうがとても大切だということがわかるのです。
きっと、あなたのお子さんが大人になる頃には、今よりももっとデジタル化が進んでいるはずです。
そして、連絡のやりとりは全てスマホで済ませ、仕事はパソコンを使う。
お子さんは、将来そんなライフスタイルを選ぶことだってできるはずですよ。
ちなみに、幼い頃からタイピングを療育の一環として取り組んできた自動に対しては、合理的配慮として、一部の高校入試・大学入試でもキーボードの入力の使用が認められています。
文字が書けないために、お子さんの将来の可能性を狭めないためにも、早めにタイピング練習を始めておきましょう。
まとめ:字が汚くても、今から対策を始めよう!
ここまで、ディスグラフィアのお子さんが字が汚い原因を5つ詳しく解説しました。
字が上手に書けないと学校生活では何かと困ることがたくさんありますが、原因を知れば効果的な勉強方法が見つかるはずですよ。
記事の後半には、具体的な勉強方法をお伝えしましたので、ぜひお子さんの勉強に活用してみてください。
ちなみに、字を上手に書くことよりも、パソコンの練習をしたほうが「書く」ハードルがグッと下がるので、早めに取り組んでおくことをおすすめしますよ。