今回の記事では、発達障害の子どもが勝ち負けにこだわる原因と対処法を詳しく解説しています。
自分の子供がちょっと負けたくらいで泣いたり怒ったりするのは、親としてもイライラしてきますよね。
しかも、周りの友達や先生にも迷惑をかけると、余計になんとかしたいと思うはずです。
特に、発達障害のお子さんは、気持ちのコントロールが難しいので、すぐに怒りの沸点を超えてしまいがちです…。
本記事では、勝ち負けのこだわりを少なくする具体的な方法にも触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
Table of Contents
勝ち負けにこだわる発達障害児はよくいる!
負けたくらいで大騒ぎして、周りに迷惑をかける…。
「いくらなんでも勝ち負けにこだわり過ぎじゃないか?」と困ってしまうことありますよね。
実は、発達障害を抱えるお子さんの中には、勝ち負けにこだわって、気持ちの切り替えが上手にできない場合がかなりあるんです。
具体例として、以下の2つのエピソードをご覧になってください。
学童に通う小学2年生の男の子。
今日は、10人1組になり、伝言ゲームで相手チームと対戦することになりました。
結果、伝言ゲームで自分のチームが負けてしまいました。
すると、相手チームに対して「死んでしまえ!」「ズルしたんだろう!」と大声で罵倒し、相手チームの女の子が泣いてしました。
うちの子にも似たようなことあるあると、思う部分があったのではないでしょうか?
このように発達障害のお子さんだと、特に勝ち負けというわかりやすい結果に対して、こだわりを見せることはよくあることです。
かといって、周りの人の迷惑になるのは絶対やめてほしいですよね。
次の章から、発達障害のお子さんが、なぜそこまで勝ち負けにこだわるのか、その原因について深掘りしていきます。
発達障害の子どもが勝ち負けにこだわる原因①思い込みが激しい
ここから、発達障害の子どもが勝ち負けにこだわる原因を5つ紹介していきます。
発達障害の子どもが勝ち負けにこだわる一つ目の原因は、思い込みが激しいことです。
発達障害の子どもの場合、単純なパターンで物事を理解していることが多く、勝ち=偉い、負け=ダメなどと、思い込んでいる可能性があります。
「負けたからと言って、人生終わるわけでもあるまいし」と、大人が軽く流すようなことでも、思い込みの激しいお子さんの場合は一大事のように捉えがちです。
発達障害の子どもが勝ち負けにこだわる原因②柔軟性が乏しい
二つ目の原因は、柔軟性が乏しいことです。
発達障害のお子さんは、もともと予定を変更することが苦手です。
それは、スケジュールの切り替えだけではなく、気持ちを切り替えることにも当てはまります。
例えば、トランプのババ抜きをする時には、まさか自分が負けるなんて一ミリも考えていない…なんてこともあるのです。
当然負けてしまえば、勝った時の気持ち→負けた時の気持ちに切り替える必要が出てきます。
このように、柔軟に感情の切り替えができていないため、負けた途端、暴言や暴力でその場をやり過ごそうとしてしまうのです。
発達障害の子どもが勝ち負けにこだわる原因③負けたことがない
三つ目の原因は、負けたことがないことです。
負けたり失敗したり経験があまりに少ないと、うまくいかなかった時に、どのように気持ちの整理をつけたら良いのか、子どもが学習することができるでしょう。
もしかすると、周りの大人がその子が傷つかないように…とあまりに配慮し過ぎた結果、負け方を知らない子どもになってしまうのかもしれません。
発達障害の子どもが勝ち負けにこだわる原因④自尊心が高すぎる
四つ目の原因は、自尊心が高すぎることです。
本来の意味の自尊心とは、ありのままの自分を尊敬できる状態を指します。
しかし、「常に優位な立場にいることが自分である」と自尊心が歪んでいると、勝ち負けに対して異常な執着を見せるのです。
そのため、「勝っても負けても、わたしはわたし。決して価値が下がるわけではない。」と、理解する必要があります。
発達障害の子どもが勝ち負けにこだわる原因⑤自信がない
最後に紹介する原因は、自信がないことです。
負けることで自分の自信がさらに下がることを懸念して、決着直前に離脱したり、決着後に暴れるのです。
一方で勝った時には、相手を見下すような言動を行うがために周りから反感を食らうこともあります。
次からは、具体的な対処方法を3つ紹介していきます。
勝ち負けのこだわる発達障害児への対処法①負け方を教えてあげる
一つ目の対処法は、負け方を教えることです。
あらゆる経験が足りないために、負け方を知らずに今日まで過ごしている場合がよくあります。
負けた時に相手を罵倒したり、大騒ぎしたりするのは、相手に迷惑がかかるので、コミュニケーションのやり方としては不適切です。
そのため、負けた時にどんな立ち振る舞いをしたら良いのかを、手取り足取り教えてあげましょう。
負け方を教える時には、最初に大人が負けて、負けた時にどんな気持ちの切り替えをしているのかを、子どもに直接見てもらうことをおすすめします。
例えば、トランプで大人がわざと負けて、「あー悔しい!でも、楽しかったからまぁいいか!」と大人が気持ちを切り替えている様子を学んでもらうのです。
心理学用語で、モデリングと呼ばれますが、大人の振る舞いをモデルにすれば、子どもは大人を真似していくことができるでしょう。
勝ち負けのこだわる発達障害児への対処法②勝ち負けを事前に予告する
二つ目の対処法は、勝ち負けを事前に告知することです。
勝ち負けが発生することを事前に認識させておくと、負けることへの準備ができます。
中には、自分が負けることを全く想定していないお子さんもいるのです。
特に、自閉症のお子さんには、結果の見通しをつけておくと、負けを受け入れやすくなるでしょう。
勝ち負けのこだわる発達障害児への対処法③勝ち負けに関係ないことを極める
三つ目の対処法は、勝ち負けに関係ないことを極めることです。
そもそも勝ち負けがないものであれば、いちいち怒ったり泣いたりする必要もありません。
例えば、プログラミングやロボットなど、クリエイティブな活動は、点数や勝敗がないので、純粋に活動そのものを楽しむことができます。
仮にプログラミングでゲームが作れるように上達したとすれば、運動会の徒競走で1位になれなくても、「僕にはプログラミングがあるから、走るのが遅くてもいいや」と妥協できる可能性もあるでしょう。
勝ち負けにこだわるお子さんには、プログラミングがおすすめ!
勝ち負けにこだわる行動を根本的に変えるには、「勝ち負けがすべてではない」と子どもの考え方を変える必要があります。
価値観を変えることはとても難しいです。
しかし、もしゲーム好きのお子さんでゲームの勝敗にこだわるお子さんなら、プログラミングを学ばせることをおすすめします。
しかも、ゲーム好きなお子さんは、勝ち負けに敏感ですからね…(泣)
勝ち負けにこだわるお子さんに、プログラミングがおすすめできる理由は、以下の2つです。
- ゲーム好きなら、プログラミングがハマる
- プログラミングで自己肯定感が高まる
それぞれの理由を確認しましょう。
ゲーム好きなら、プログラミングにハマる
ゲームに負けたくらいで泣くというのは、良く言えば、それくらいゲームが大好きだということです。
ゲームが好きなお子さんは、ゲームを作るのも好きなはず。
そのため、プログラミングでゲームを作る経験を重ねていけば、おのずと勝ち負けで物事を考えないようになるでしょう。
プログラミングで自己肯定感が高まる
勝ち負けにこだわる子どもは、自分に自信がないことが多いです。
例えば、ゲームの勝敗を気にするお子さんは、学校のテストの点数が悪いことがあります。
その結果、勉強で負けているから、ゲームでは何がなんでも勝とうと考えるようになります。
そこで大切なのが、勉強が苦手でも自分をありのまま受け止める気持ち、つまり自己肯定感を保つことです。
プログラミングを学べば、テストの点数が悪くて失った自信も取り戻すことができるかもしれません。
プログラミングは、国語や算数の力とは関係なく取り組めるので、自己肯定感を伸ばすためにも活用できます。
まとめ:勝ち負けにこだわる発達障害のお子さんはとても多い!
発達障害のお子さんの多くは、感情コントロールが難しく、怒ったり泣いたり、簡単な手段で自分の要求を貫こうとします。
しかし、自分の思い通りに大人を操作しようとする子どもの行動は止める必要があります。
というも、幼いうちから修正していかないと、大きくなった時には手の施しようがなくなるかもしれないからです。
今回の記事では、発達障害のお子さんが勝ち負けにこだわる原因やその対処法を詳しく解説しましたので、ぜひお子さんへの接し方の参考にしてみてください。
家に遊びにきてくれた友達と、小学生1年生の息子は、一緒にテレビゲームをして楽しんでいました。
ところが、息子がゲームで負けてしまうと、泣いて大騒ぎ。
友達に対して手が出そうだったので、親である私が仲裁に入りました。
その後、気まずい空気になり、友達は帰っていきました。