うちの子は、漢字は読めるけど書けないって、どうしてなんだろう…?
テストで赤点を取ってきた。周りの子と、差がついて心配…。
あなたのお子さんは、上記のように漢字が苦手ではありませんか?
小学校6年間で、計1000以上の漢字を覚えなくてはいけないので、できるだけ多くの漢字を早く覚えてもらいたいものですよね。
そこで、今回の記事では、漢字が読めるのに書けない時の対処法を3つ紹介。
さらに、漢字指導をする上で必ず知っておきたい考え方も後半にお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
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漢字が読めるけど書けない理由は?
漢字が読めるけど書けないために、結果的にテストで赤点取ってしまうお子さんは実に多いものです。
それでは、読む力と書く力にこれほどギャップがあるのはなぜでしょうか?
考えられる原因は、以下の3つです。
- 耳で覚えるのは得意だけど、目で見て覚えるのが苦手
- 手先が不器用で漢字を書くのが苦手
- 学習する頻度が足りない
それぞれの原因を深堀りしていきましょう。
原因①耳で覚えるのは得意だけど、目で見て覚えるのが苦手
漢字の読みを覚えるには、聴覚的な記憶を必要とします。
つまり、耳で聞いて覚えるということです。
しかし、漢字の形は目で見て覚えなくてはいけません。
そのため、視覚的な記憶力が求められるのです。
このように、もともと聴覚的な記憶が得意なのか、視覚的な記憶が得意なのか、によって漢字の覚え方に影響を及ぼします。
ちなみに、歌を流暢に歌える子どもは、耳で覚える力に長けていると言えますね!
お子さんの記憶のパターンを知りたい場合は、WISC(ウィスク)検査がおすすめです。児童精神科などの病院、大学や民間の心理相談室などで受けられます。
原因② 手先が不器用で漢字を書くのが苦手
手先が不器用だと、マスの中にはみ出さずに漢字を書いてしまったり、字のバランスが悪くなってしまったりします。
すると、一つの漢字を書き終わるのに、多くの時間が必要です。
結果として大した勉強量にならずに、漢字が定着しない可能性があります。
原因③学習する頻度が足りない
漢字が苦手な子どもは、モチベーションが低い傾向にあるので、意欲を持って漢字を覚えるのが困難です。
そのため、一回の漢字の書き取りで、何も見ないで書けるようにはならないでしょう。
また、漢字そのものを覚えるのも苦手なので、何度も漢字練習をする必要があります。
ちなみに、記憶して定着するためには、1日の漢字練習の量は少なくても良いので、こまめに漢字を思い出す機会を作ることが大切になります。
漢字が読めるけど書けない時の対処法①部首かるたを使ってみる
ここからは、漢字が読めるけど書けない時の対処法を3つお伝えします。
おうちで、取り組めそうなものがあれば、実践してみてください。
1つ目の漢字を覚える方法は、部首カルタを活用することです。
部首は漢字の成り立ちや、漢字の種類を表すので、覚えるときに漢字に意味を見出すことができます。
例えば、氵(さんずい)は、水を意味するから、「液」や「流」など、覚える助けになります。
このように、漢字に意味を持たせて視覚的な手かがりを増やすことで、少しでも漢字を覚えやすくしようという試みです。
ゲーム感覚で漢字を覚えることもできるので、漢字に対する苦手意識があるお子さんにおすすめですよ。
漢字が読めるけど書けない時の対処法②指でなぞりがきしてみる
2つ目の漢字を覚える方法は、指でなぞりがきすることです。
鉛筆を使って漢字を練習せずに、指で字を書くやり方ですが、メリットが以下の2つあります。
- 指に多くの刺激が入る
- 字の不器用さが影響しない
鉛筆を介在させるよりも、直接指の腹で漢字を書いた方が、指への刺激は多くは入ります。
ちなみに、紙やすりで漢字を作れば、ざらざらとした刺激が指に入るので、より強く漢字を覚える手がかりとなるでしょう。
また、指で書くと、字の不器用さが目立たないです。
鉛筆で漢字を書くと、字がマスからはみ出たり、字のバランスが悪かったりして、結局書き直すことになります。
間違いを指摘されて直すのが嫌なお子さんもいるので、最初から字の汚さが露呈しない指でのなぞりがきがおすすめです。
漢字が読めるけど書けない時の対処法③語呂合わせで漢字を覚える
3つ目の漢字を覚える方法は、語呂合わせで漢字を覚えるやり方です。
漢字の読みを優先的に覚えているのであれば、耳で覚えるのが得意と言うこともできます。
そのため、語呂合わせを使えば、リズムよく漢字の形を覚えることができるでしょう。
「女」は、く・ノ・一!といった感じですね。
ただ、一つ一つの漢字の語呂合わせを考えるのはとても大変なので、小学生全漢字覚えるカードなど、市販のものを購入することをおすすめします。
書けない…と悩む前に、本当にその漢字が読めるのか?を確認すべし
ここまで、漢字が読めるけど書けない場合の対処法について3つお伝えしてきましたが、その前にお子さんに確認してほしいことがあります。
それは、本当にその漢字読めているのか?ということです。
漢字は読めなければ、書くことができません。
したがって、読みができていない漢字がないのかを漢字一覧表でチェックしてみると良いでしょう。
そして、漢字指導の目標設定において、さらに重要な考え方がありますので、続きもご覧ください。
学習プリント.comの漢字一覧表は、どの無料教材サイトよりもきれいでわかりやすいです。
ダウンロードして、お子さんが本当に読めるのかどうかをチェックしてみましょう!
書けない漢字があっても大丈夫!漢字を選ぶ力のほうが大事
結論、漢字を書くことが重要ではなくて、正しい漢字を選べることの方がよほど重要だと言えます。
振り返ってみれば、大人になると求められるのは漢字を思い出すことではなく、正しい漢字を選ぶことの方が多いはずです。
例えば、スマホでメッセージを送るときも、パソコンで文字を打つときも、求められるのは書く力ではなく、漢字を選ぶ力でしょう。
最低限、自分の名前と住所くらいは書けるように練習しておいて、それ以外はパソコンのタイピングやスマホのフリック入力で日常生活を難なく送れるようになるはずです。
そのため、漢字練習がきっかけで子どもとの仲が悪くなるようでしたら、長い目で漢字の習得を見守るくらいの余裕を持ちましょう。
タイピング練習をすることで、漢字を選ぶ力が身につく!
適切な漢字を選ぶ力は、タイピングを通して身につけるのがおすすめです。
タイピング練習を今のうちにしておけば、情報の授業でパソコン学習の予習になります。
また、将来的には仕事で必ず使うので、書く練習よりもタイピング練習の方が、実用的と言えるでしょう。
タイピング練習を効率よく行う方法は、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
注意点:無理のない目標設定をすること!
ここまで、漢字指導の方法について、詳しくお伝えしましたが、一つ注意点があります。
それは、無理な目標設定をしないことです。
例えば、現在小学3年生なのに、2年生の漢字も書けなかったら、周りの子どもとの差もついて、焦ってしまいますよね。
しかし、ここで大事なのが、その子のペースに合わせて漢字を覚えていくことです。
無理に勉強させても、記憶が追いつかずに覚えられないし、漢字そのものを嫌いになってしまいかねません。
そのため、漢字指導における目標は、以下の通りに設定しておくことをおすすめします。
- 中学3年生までに小学4年生レベルの漢字が書けていればベスト。
- 書けなくても、せめて自分の名前と住所だけでも、書けるようになる。
- そして、タイピングやフリック入力に慣れておく。
実は、文科省の学習指導要領では、小学4年生レベルの読み書きの力があれば、日常生活を送るための知識が備わっていると言われています。
日常生活を送るために必要な知識とは、新聞が読めたり、生活に必要な計算ができる程度の知識を指します。
ちなみに、新聞に書いてある漢字の85%は、小学生4年生までに習う漢字です。
上記を踏まえると、義務教育が終わる中3までに、小4レベルの知識があれば良いと考えると、まだまだ時間はたくさんあると余裕が持てるでしょう。
さらに、仕事をする上では、文字を書くよりもパソコンで文字を入力する方が多いはずです。
そのため、早いうちにタイピングスキルを高めて、漢字の苦手さをカバーすることをおすすめします。
まとめ:今は漢字が書けない状態で焦らないこと!
漢字が読めるけど書けないお子さんへの対処法を詳しくお伝えしました。
漢字が書けない原因は、必ずあります。その原因を踏まえて、お子さんに合った漢字練習を提供してみてください。
また、漢字が書けなくても、パソコンで文字を打って適切な漢字を選ぶことができれば、社会で十分通用します。
周りの子と比べるのではなく、あなたのお子さんのペースに合わせて漢字練習を進めてみてください。
ちなみに、今回の記事を読んでも、「いまいちうちの子に合いそうな勉強方法が見つからないな」と思った方は、こちらの応用編の記事も参考にしてみてください。
小学3年生だけど、1年生の漢字がやっと書けるくらい…2年生と3年生の漢字が全然書けない。でも、3年生の漢字は割と読める。