今回の記事では、「あえて小規模保育園を選ぶべき理由を知りたい」と考えている方向けに書かれています。
小規模保育園は大規模保育園を上回るくらい、子どもの発達に良いことがたくさんあるんですよ。
そこで、今回の記事では、小規模保育園のメリットやデメリットなどを詳しく解説していきます。
- 大規模保育園に落ちた人が行くのが、小規模保育園?
- 小規模保育園って保育の質が悪そう!
小規模保育園に対して、上記のようなイメージを思っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
Table of Contents
あえて小規模保育園を選ぶ必要ってあるの?
小規模保育園は、仕方なく選ぶ保育園ではなく、積極的に選ぶべき保育施設です。
ただし、小規模保育園では0〜2歳までしか子どもを預かることができないので、3歳以降は転園する必要があります。
転園の手間を考えると、わざわざ小規模保育園を選ぶ必要を感じないですよね。
しかし、特に0〜2歳の子どもの成長を考えたときには、小規模保育園のほうが子どもの利益になる可能性が高いんですよ。
次の見出しで、小規模保育園が子どもにとって良い理由を解説します!
3歳までの教育がとても大事!忙しい親ほど小規模保育園が良い
「三つ子の魂百まで」ということわざもあるくらい、3歳までの教育はその後の子どもの発達に大きな影響を及ぼします。
「3歳までの教育が大事」というのは単なる言い伝えではなくて、様々な研究から指摘されていることです。
例えば、ユニセフでは以下のように、3歳までの過ごし方の重要性を説明しています。
出生から3歳になるまでに起こることが、その後の子どもの生活や青年期の生活に影響を与える。
引用:2001年世界子供白書:幼い子どものケア
しかし、仕事や家事など都合で、親が3歳までの子育てに集中できない実情も多くあります。
だからこそ、親子の時間に代わって、高い質を持って子育てを支援してくれる保育園を選ぶべきでしょう。
小規模保育園は、大規模保育園よりも、家庭的保育が実現しやすい特徴があります(詳細は後述します)。
そのため、忙しいけど子どもの成長も大事にしたいと考える親ほど、小規模保育園がおすすめです。
小規模保育園の特徴【細かく子どもを見てくれる】
ここで、小規模保育園の特徴を確認していきましょう。
- 定員が6人〜19人と少人数
- 子ども一人に対する職員配置人数が多い
大規模保育園が定員80人程度であることが多いのに対し、小規模保育園では、6人〜19人と少人数です。
そして、子ども一人に対する職員配置も多いので、子どもへの丁寧な関わりが期待できると言えます。
特に、0〜2歳は転倒や誤飲など、何かと目を離せない年頃です。
より細かく子どもを見てくれるのが、小規模保育園の特徴と言えるでしょう。
次の見出しで、あえて小規模保育園を選ぶメリットを解説します!
あえて小規模保育園を選ぶメリット①脳の発達が期待できる
子どもの脳の発達を考えると、関わり方が丁寧な小規模保育園を選んだほうが良いです。
赤ちゃんは生まれつき、大脳に140億もの神経細胞を持っています。
(中略)その後は、減っていくのみです。
生き残る神経細胞は30%程度で、その後は、大人になってもその30%は変化しません。
引用:モンテッソーリ教育 ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方(p32) 著者:伊藤美佳
科学的に見ても、3歳までの遊びや経験が、脳の発達に重要であることがわかっています。
小規模保育園の特徴は、子どもの人数が少ない上に、職員の数が多いことです。
0歳に近い子どもほど、職員とのマンツーマンの丁寧な関わりを通して、脳の発達が期待できるでしょう。
あえて小規模保育園を選ぶメリット②先生の質があまり影響しない
小規模保育園の2つ目のメリットは、先生ごとに実力が違くても、あまり保育の質に影響しないことです。
なぜなら、小規模保育園は大規模保育園と異なり、担任制ではないからです。
担任制のほうが、「自分の子どものことをよく見てくれるんじゃないか?」と思う方もいますよね。
しかし、質の悪い先生にあたった場合、子どもに悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、小規模保育園では、職員全員で子どもたちの世話をします。
先生一人だけではなく、いろんな先生が見てくれるので、子どものささいな変化にも気づきやすいでしょう。
そのため、小規模保育園では、先生の質が「保育の質」に影響しにくい傾向にあります。
職員全員で子どもたちを見ているので、お迎えに行った時に、どの先生に聞いても子どもの様子を教えてくれますよ!
あえて小規模保育園を選ぶメリット③保育の質が高い傾向にある
「大きい保育園のほうが子どもの成長には良いのでは?」と思う親も多いかもしれません。
しかし、実は小規模保育園の方が「保育の質」が高い傾向であると、複数の研究で指摘されています。
経済産業研究所の研究報告では、以下のように、小規模保育園の「保育の質」について述べています。
小規模保育園で生活する子どもは、乳児期に応答的かつ適切で十分なケアを保育者から受ける可能性が高いことを予期させ、その結果として、大規模園の子どもと比べて良好な発達がもたらされているかもしれない。
引用:独立行政法人経済産業研究所『保育の「質」は子どもの発達に影響するのかー小規模保育園と中規模保育園の比較からー』(2017年)
このように、小規模保育園では職員と子どもが深く関わることができるため、保育の質が高いと言われています。
0〜2歳の時期は、保育者との応答的なやり取り、つまりスキンシップや語りかけなどが大切な時期とも言えるでしょう。
この研究の注意点として、0〜2歳をひとくくりの集団として研究を進めているところです。
小規模保育園の方が「保育の質」が高いと断言するのは、まだ早いでしょう。
ただ、傾向として小規模保育園の方が、質が高いと言えるのは確かです。
あえて小規模保育園を選ばないのは?【3歳になったら転園する】
あえて小規模保育園を選ばないという選択も否定できません。
小規模保育園では3歳になったら、転園する必要があります。
実は、転園などの環境の変化は、子どもの発育に良くないと主張する研究があるのです。
例えば、アメリカの研究(2014年)では、3歳までの間に保育環境の変化を繰り返した児童(特に2回以上)は、不安や抑うつ、攻撃性など問題行動が増える傾向にあると報告されています。
アメリカの研究なので、日本に当てはまるかのか、わからないのが正直なところです。
「慣れた保育環境で、ずっとのびのび過ごしてほしい!」と考えるのであれば、あえて小規模保育園を選ばないというのもアリでしょう。
小規模保育園だと遊具が不十分?【3歳からでも遅くない】
さらに、小規模保育園を選ばない理由として、園庭や遊具などの施設環境が不十分であることがあげられます。
ただし、施設環境に関しては、小規模保育園でも公園や公的施設に出かけることも多いので、施設環境の不十分さは解消されます。
そのため、0〜2歳は、施設環境の充実さよりも、保育者と関わる濃さを重視しても良いでしょう。
小規模保育園に入る前に必ず見学しよう!
小規模保育園に入ると決めたら、 複数の施設を見学することをおすすめします。
見学時にチェックするポイントは、以下のとおりです。
- 預かり時間
- 給食の内容
- 必要な持ち物
- 保育士の人柄
- 子供たちの様子
- 園の清潔さ
- 園の雰囲気
実際に、見学しないとわからないことも多いです。
一つだけではなく、2〜3施設を見て、我が子にあった保育園を探してみてください。
まとめ:あえて小規模保育園を選ぶのもアリ!
ここまで、あえて小規模保育園を選ぶメリットやデメリットを詳しく紹介しました。
子どもの成長を考えると、小規模保育園のように、保育者との密な関わりができる施設を選ぶと良いかもしれません。
ただ、小規模保育園にも3歳になったら転園しなくてはいけないというデメリットがあります。
子どものより良い成長と家庭の都合を照らし合わせて保育園選びをしてみてください。