うちの子は自閉症だけど、習い事なんてさせる意味あるのかな…
やらせてみたいけど、どんな習い事が良いのかな?
と、自閉症のお子さんを持つ親御さんなら、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか?
しかし、自閉症の特徴を踏まえると、どんな習い事と相性が良いのか、はっきり見えてくるんですよ。
今回の記事では、自閉症のお子さんにおすすめの習い事や、習い事を選ぶポイントや注意点を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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自閉症の子どもに、あえて習い事をさせる意味は?
自閉症のお子さんは、普段、学校や放課後等デイサービスで、生きにくさをあわせ持ちながらも、なんとか適応しようとして頑張っていますよね。
それでも、あえて本人の負担にもなりそうな習い事をする意味は、何があるのでしょうか?
結論、自閉症の子どもが習い事をする大きな意味として、子どもの好きや興味を尊重した学びを提供できることがあげられます。
学校だと、じっと座って授業を聞いていなくてはいけませんし、板書をノートに写すのも大変なお子さんもいるでしょう。
療育においては、苦手なことにも挑戦することも大切です。
しかし、苦手なことよりも得意なことに目を向けた方が、お子さんはもっとイキイキと輝きます。
そのため、習い事は自閉症のお子さんの可能性を伸ばすのに、最適な手段と言えるでしょう。
自閉症の特徴をおさらい、おすすめの習い事の共通点は?
さて、自閉症の子どもに合う習い事を選ぶ前に、自閉症の特徴を知っておくと、自分で習い事を探すときのヒントになるので、確認しておきましょう。
自閉症には、以下の3つ特徴があります。
- コミュニケーションが苦手
- こだわりが強い
- 感覚過敏・感覚鈍麻
それぞれの特徴を解説していきます。
コミュニケーションが苦手
自閉症のお子さんは、コミュニケーション全般が苦手です。
目線が合わなかったり、相手の気持ちの沿わない発言をしてしまったりします。
そのため、空気が読めない子どもとして、見られることも多いです。
コミュニケーションが苦手な理由を深掘りすると、自閉症のお子さんはあいまいなことが嫌いであることが根本にあります。
コミュニケーションには正解はありません。
どのように返事をすれば良いのか、答えがないので、あいまいな活動の代表例と言えるコミュニケーションが苦手なのです。
逆に、「この後、何をするのか?その次は何をするのか?」といった見通しがしっかりしている活動は、安心感を持って取り組んでくれることが多いです。
そのため、コミュニケーションの苦手さの観点から、自閉症の習い事を選ぶ際は、コミュニケーションが少ないことが大切です。
さらにあいまいさも少なく、そして、見通しがしっかりした習い事がおすすめということになります。
こだわりが強い
自閉症のお子さんは、こだわりが強いです。
特定の遊びしかやらなかったり、ルーティンを大事にしたりします。
こだわりは誰しも持っているものですが、自閉症のお子さんはかんしゃくを何度も起こして、日常生活を送るのに支障をきたすことも多いです。
例えば、自閉症児が習い事をする上で起こりうる問題行動として、「終了時刻になってもやめられない」や「自分のやり方を貫こうとする」などが予想されます。
そのため、ルールが決まっているもの習い事であれば、自閉症のお子さんは混乱することが少ないでしょう。
ルールが決まっている習い事というのは、Aの次はBにする、〇〇と同じなのは△△など、パターンを暗記すれば成立する習い事のことです。
具体的には、ピアノやプログラミングなどが該当します。
感覚過敏・感覚鈍麻
自閉症のお子さんの9割以上で、何かしらの感覚の異常があると言われています。
例えば、ベタベタした感覚を過度に嫌がったり、逆にクルクル体を回して回転を感じる感覚を欲っしたりなどがあげられます。
習い事に使う素材そのものが苦手な感覚刺激なものであれば、その習い事は選択肢から除外することになります。
なお、どんな習い事をする上でも、視覚や聴覚、触覚、平衡感覚(体の傾きを感じる)、固有感覚(物の重さを感じる)、それぞれの感じ方に凸凹があるのが自閉症のお子さんです。
そのため、感覚の感じ方への合理的配慮ができる習い事を選択することをおすすめします。
次からは、自閉症の特徴を踏まえたおすすめの習い事を5つ紹介していきますよ。
ご自分で探すのが大変な方は、ぜひ参考にしてみてください。
自閉症におすすめの習い事①プログラミング
1つ目のおすすめの習い事は、プログラミングです。
自閉症のお子さんにプログラミングがおすすめの理由は以下の3つあります。
- 一人でもできる
- パターンで覚えられる
- 実用性がある
一人でもできる
プログラミングは、他者とのコミュニケーションが少なくてもできる習い事です。
教室の先生と会話する時は、パソコン上にあるブロックやコードなど視覚的な手がかりに会話をするので、フリートークよりもはるかにコミュニケーションが楽になるはずです。
パターンで覚えられる
プログラミングは、パターンを覚えて組み合わせることで、作品を作ることができます。
あいまいさがない世界なので、白黒はっきりしていて、自閉症のお子さんにはぴったりの習い事です。
実用性がある
プログラミング幼い頃から学んでおくことで、職業選択の幅が広がります。
自閉症の特徴から踏まえると、接客を伴うサービス業では、コミュニケーションの苦手さが露呈しやすいでしょう。
しかし、プログラマーであれば、クライアントの仕様書通りにプログラムを書いて納品すれば、立派に仕事したことになります。
コミュニケーション能力よりも、正確にプログラムを書く力が求められるので、より安心して仕事に取り組めるでしょう。
将来の自立にもつながる稼ぐスキルも身につくので、やってみて損はないでしょう。
このように以上3つの理由から、プログラミングは自閉症のお子さんにおすすめの習い事だと言えます。
自閉症におすすめの習い事②ロボット
2つ目のおすすめの習い事は、ロボットです。
ロボットはプログラミングと組み合わせて行うこともありますが、ロボットの方が未就学や小学校低学年が行うものだと捉えても良いでしょう。
ただし、プログラミングのように、パソコンの画面上にプログラムを書くことはしません。
その代わり、ブロックを組み合わせてロボットを作り、モーターと組み合わせて、自分の思い通りに動かす経験ができます。
ロボットが自閉症の習い事としておすすめの理由としては、以下の3つが挙げられます。
- レゴやブロックが好きな子が多い
- パターンで覚えられる
- 手先の不器用さが影響しない
レゴやブロックが好きな子が多い
自閉症のお子さんの多くは、レゴやブロックがもともと好きです。
こだわりの強さをプラスに捉えると、好きなものには集中して取り組むことができます。
そのため、ロボット教室に通い続けてくれる可能性が高いでしょう。
パターンで覚えられる
ロボットもプログラミングと同じように、一定のパターンに従って、取り組む習い事です。
ブロックには、さまざまな色や形など、視覚的な手がかりが多く、言葉による理解が苦手でも大丈夫でしょう。
手先の不器用さが影響しない
ロボットの良いところは、手先が不器用でも、作品としては立派なものができることです。
特に、レゴブロックを使ったロボット教室では、指先の微調整が苦手でも、ブロック同士をカチッと組み合わせることができます。
このように、上記3つの理由から、ロボットも自閉症におすすめの習い事だと言えます。
自閉症におすすめの習い事③楽器
3つ目におすすめの習い事は、楽器です。
ピアノでのギターでも、「ここを押せばこの音がなる」というパターンが決まっているので、自閉症のお子さんでも理解がしやすいです。
ただし、聴覚過敏を持つ自閉症の子どもの場合、楽器の音で苦しくなってしまうこともあります。
ちなみに、楽器は右手と左手で、左右違うことを行うので、体幹をしっかり保ちつつ、両手を協調的に支える必要があります。
左右の手で異なる動きをするのは、かなり難易度が高いので、現在の発達段階で可能なのかどうかをよく見極めると良いですね。
普段の音楽の授業での様子を担任の先生から聞いてみたり、最寄りの音楽教室に参加して、お子さんの様子を確認してみると良いでしょう。
自閉症におすすめの習い事④絵画
4つ目のおすすめの習い事は、絵画です。
自閉症のお子さんならではの独特な世界観を、絵で表現できるため、芸術の才能が開花する子どもも中にはいます。
また、基本的に自分の世界に入って作業できるので、本人としてもコミュニケーションで苦労することもないでしょう。
ただし、「絵」というは、良くも悪くも正解がありません。
どれくらい丁寧で正確に描けば良いのか、明確な基準がないので、そのあいまいさで、絵そのものが嫌いな自閉症のお子さんもいます。
自閉症におすすめの習い事⑤個人競技のスポーツ
5つにおすすめの習い事は、個人競技のスポーツです。
スポーツそのものは、体幹筋力やバランス感覚、体の器用さなど、体の発達をトータルで促してくれます。
さらに、個人競技であることは、自閉症児のコミュニケーションの苦手さをカバーすることに繋がります。
サッカーやバスケは人気のスポーツですが、チームで闘う以上、仲間とのコミュニケーションは必須です。
そのため、他者とのやりとりが苦手な自閉症のお子さんは、できるだけ一人で完結するスポーツが良いでしょう。
ちなみに、具体的な個人競技のスポーツは以下の通りです。
- 水泳
- 器械体操
- 弓道
- ボルダリング
なお、水泳は水の感触が嫌いな自閉症のお子さんもいるので、よく見極める必要があります。
また、ボルダリングは、療育の世界でもよく利用される遊具で、放課後等デイサービスや療育センターなどにもあります。
自閉症の子どもが習い事を通い始めたら、大切にしたいこと
ここまで紹介してきたような習い事を、お子さんの特徴に合わせて選択することが大切です。
しかし、実際に習い事を始めてから大切になることは、「自閉症の特性に配慮した指導してくれるのか?」になります。
例えば、声かけ一つにしても、あいまいな表現でアドバイスされたら、自閉症のお子さんはどうしていいか分からずパニックになってしまうかもしれません。
また、その日の調子によっては、じっと座り続けることも難しいかもしれません。
そこでスパルタに教育するのではなく、子どもの困り感に寄り添って指導してくれる先生がいるかどうかも、今後重要になっていきます。
注意点:無理してるようであれば、休ませるのもアリ
習い事に休まず通っているように見えても、実はどこかで無理をして我慢している可能性もあります。
というのも、自閉症の子どもはコミニケーションが苦手なので、自分の気持ちを適切に表現することが難しいのです。
自閉症のお子さんを育てる上で重要なのは、心身ともに安定した生活を営むことです。
穏やかに過ごすことができるから、習い事にも挑戦できると言うことになります。
そのため、生活リズムを壊さない程度に、習い事に取り組んでもらいましょう。
まとめ:自閉症があっても、習い事に挑戦しよう!
ここまで、自閉症のお子さんにおすすめの習い事を5つ紹介しました。
自閉症の特徴に合った習い事だけを厳選しましたので、お子さんの様子を見ながら提案してみてください。
ちなみに、筆者おすすめの習い事は、プログラミングです。
自閉症の苦手なことをカバーしながら、得意なことを伸ばすことができる上に、将来の仕事にも直結します。
少しでも、お子さんの才能を伸ばしてあげたい親御さんは、ぜひプログラミングに挑戦させてあげてください。
なお、発達障害のお子さんに最もプログラミングを指導してきた実績を持つ教室は、LITALICOワンダーです。
LITALICOワンダーのプログラミング指導の実績について、詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
自閉症の特性上、苦手は事は、ずっと苦手なままであることが多いです。